VRM AVATAR  /  DESIGN GUIDE

Vtuber用3Dアバター(VRM)制作
キャラデザ注意点ガイド

📖 絵として魅力的なキャラクターデザインというだけでなく、3Dキャラクターとして洗練された破綻や見劣りのない最適なデザインとして落とし込むための実務チェック資料です。

01

前提

VRMは、以下のような用途を想定した3Dアバター形式です。

Vtuber配信 / VSeeFace・Warudo・3tene などでのリアルタイム運用 / 表情トラッキング / 音声リップシンク / 上半身・全身トラッキング

「VRM」って何?どんなことができる? | VRM

02

懸念度別要素一覧

🟢 比較的問題になりにくい

  • ショート〜ミディアムヘア
  • 身体に沿った衣装
  • 小さめ・固定の髪飾り
  • テクスチャで表現できる模様

🟡 注意すれば実現しやすい

  • ロングヘア・ツインテール
  • フード付きパーカー・大きめの袖
  • リボン・ネクタイ・腰布・短めのマント
  • メガネ・尻尾・ケモミミ
  • 発光素材・金属パーツ

🔴 難度が上がりやすい

  • カールヘア・複雑な編み込み
  • 多層構造・肩出し・複雑な着崩しの衣装・袖を通していない上着
  • ロングスカート・長いマント・ケープ
  • 大量のチェーン・細かい装飾
  • 大きな翼・細かな毛の表現・透け素材
💡 🔴でも実現不可能ではなく、工数・ボーン数・貫通リスク・処理負荷が増大しやすいというニュアンスです。
魅力とコストのトレードオフとして、どこに予算を寄せるかを決める指標に使ってください。
03

デザインの整合性

3Dでは別角度から見たデザインの整合性が見栄えに直結します。
正面イラストでは成立していても、横・後ろ・斜めから見ると成立しないデザインは、3D化時に再現できない場合があります。
注意ポイント
  • 正面だけで成立するデザイン(別角度から見ると歪に見える形状)
  • 厚みが不明な服
  • 構造が複雑な装飾
  • どこに固定されているか分からないアクセサリー
  • 立体的に接続できない布やベルト(特に結び目や留め具箇所)
  • 物理的に浮いているように見える服の重なり
!起こりやすい問題
  • 別角度からみると違うキャラクターに見える
  • 横から見ると髪の毛で顔が隠れて見えなくなる
  • 各パーツ位置がイメージしていたよりずれて見える
対策案
  • 三面図を用意する
  • 髪・服の重なり、装飾の構造を明確化する(なんとなくで付けない)
  • 見えない部分(背面・内側)の構造も考慮しておく
04

シルエット・情報量

注意ポイント
  • 細かい模様
  • 細かい毛の表現
  • 小さな装飾が多い
  • 線が多い衣装
  • 色数が多い
  • 左右非対称が多いデザイン
!起こりやすい問題
  • 3D化の工数増
  • テクスチャが潰れて見える
  • 配信画面の小さい表示で分かりづらい、軽量化が難しい
  • 左右非対称はミラー作業ができず、調整が増える
対策案
  • 顔まわり・上半身の視認性を優先する
  • 重要な装飾と省略可能な装飾を分ける
  • シルエットだけでキャラ性が伝わるようにする
05

質感表現・マテリアル・陰影処理(シェーダー)VRMで使用するMToon(トゥーンシェーダー)前提で運用する際の起こりやすい問題点

MATERIAL透明・半透明パーツ

!起こりやすい問題
  • 重なりで表示が破綻しやすい/描画順の問題が出やすい(ちらつきや表示エラーが発生しやすい)
  • 処理負荷が増大し重くなる(画面がカクつく)
  • ツールによって見え方が違う
  • アウトライン表現は不可(背面が一色に塗りつぶされる)
対策案
  • 透明パーツは少なめにし、重ねない
  • 透け感はテクスチャで表現する(タイツ・ストッキング・密着した薄い生地の服など)
  • 重要なシルエット部分には使わない
  • アウトラインはテクスチャで描写する

MATERIAL金属・発光表現

!起こりやすい問題
  • 金属感が弱く見える/テカリ過ぎる
  • 発光が強すぎる(まぶしい)
  • ツールや周囲の環境(ステージ)で見え方が変わる
対策案
  • 金属はテクスチャで表現する
  • 発光はアクセント程度に抑え、配信画面で顔より目立たせない
06

揺れ物

VRMは髪・服・アクセサリーなどに揺れ物を設定できますが、
かなりシンプルな設計となっているため、複雑なデザインとなる場合は表現工夫が必要になります。
注意ポイント
  • 長すぎるものは暴れやすい(ロングヘア/リボン/チェーン/ベルト/紐/ネクタイなど)
  • ケモミミ・尻尾・羽等の自動揺れはVRMの標準制御に限界あり(自動で揺らす、動かすなどは基本的に不可能)
  • 輪っか形状・先端が合流する形状の揺れ物はVRMの標準制御に限界有り(VRMの揺れ物は収束箇所を固定できない)
!起こりやすい問題
  • 揺れすぎる/暴れる/身体にめり込む
  • チェーンやひもがちぎれて見える(離れる)
  • 動作後の戻りが不自然、揺れ物同士が干渉する
対策案
  • 揺らす箇所と固定する箇所を明確にしておく
  • 揺れ物を増やしすぎない、長くし過ぎない
  • 身体に密着する揺れ物は避ける
  • 大きく揺れる装飾は、身体から少し離す
  • 自然に揺らすなどは配信ツール側で設定できるものもあり(Warudoなど)
07

パーフェクトシンク/ARKit対応

パーフェクトシンクとはARKit対応端末(iPhoneまたはiPad)を使用し、専用アプリ(iFacialMocap等)を通して通常のフェイストラッキングよりも更に滑らかで高精細な表情表現を可能にする追加システムです。
注意ポイント
  • 口が極端に小さい
  • 口元が常に隠れている
  • 前髪で眉が完全に見えない
  • 片目が完全に隠れて表情差が乏しい
  • 頬の赤らめ・涙・汗・ぐるぐる目・どんより・怒りマークなどの表情エフェクト ※テクスチャ・メッシュで表示切替が必要なものはパーフェクトシンクでは対応困難(「表情切り替え」であれば対応可能)
!起こりやすい問題
  • 口元の動きが分かり辛い
  • 特定の表情をした際に表情が破綻する(特に目や口)
対策案
  • 母音(あ・い・う・え・お)の表情集を作成する
  • 口の形状差分(口・眉の動き)を分かりやすくする
  • 口元を隠す装飾、マスク・長い前髪で顔が隠すデザインにしない
08

要素別の注意点と対応策

顔・表情

注意ポイント
  • 目・まぶた・まつ毛の形状
  • アイシャドウ
  • 八重歯・牙
  • 前髪による顔の隠れ具合
!起こりやすい問題
  • まばたき時に不自然になる/笑顔・怒り顔で目の形が破綻する
  • アイシャドウが伸びたように見える
  • 前髪で目・眉が隠れ、表情が伝わらない
対策案
  • まばたきや表情変化による顔の見た目も考慮する(表情集を作成する
  • 目のハイライト・瞳孔の構造、口内(歯・舌)の形状や色味も明確化する

髪型

注意ポイント
  • ロングヘア/ツインテール/カールヘア/複雑な編み込み
  • 毛束が多い(細かい)
  • 前髪が目や顔に大きく被るデザイン
  • 髪飾りと髪が密接しているデザイン
!起こりやすい問題
  • 髪が肩・胸・背中にめり込む
  • 揺れが暴れる
  • トラッキング時に髪が顔に刺さる(めり込む)
  • ボーン数・揺れ物設定の工数が増える
対策案
  • 揺らす毛束ごとにある程度まとまりを持たせる
  • 肩・胸に常時接触する髪は避ける
  • 顔にかかる髪は目・眉・口の表情を邪魔しない範囲にする
  • 複雑な編み込みや細かい毛束は簡略化する
  • ロングヘアは背中から少し浮かせた設計にすると扱いやすい

衣装

注意ポイント
  • パーカー・ジャケット・コート・オーバーサイズ
  • 肩出し・着崩し・袖を通していない上着
  • インナーとアウターの重なり/腰巻き/複数レイヤーのスカート
!起こりやすい問題
  • 腕を上げると肩・袖が破綻、貫通する
  • アウターとインナーがめり込む
  • 着崩し部分が動きに追従しづらい
  • 肘・肩・腰まわりで形状が崩れる
  • 物理演算を入れると布同士が干渉する
対策案
  • 肩・脇・肘まわりの構造を分かりやすくする
  • 完全に布が滑り落ちている表現より、「固定された着崩し」に寄せる
  • 可動部(肩・脇・肘・腰)に細かい装飾を集中させない

胸・胴体まわり

注意ポイント
  • 胸元の大きな装飾/ネクタイ・リボン・ペンダント・ネックレス
  • 胸元に密着した髪
  • 胴体をまたぐベルト
!起こりやすい問題
  • 髪やアクセサリが胸にめり込む
  • 上半身動作により装飾の破綻が目立つ
対策案
  • 胸元に揺れ物を集中させすぎない。顔・表情の見栄えを邪魔しない配置に
  • 正面映えを優先しつつ、横向き時の厚みも想定する
  • 胸元の装飾は「固定するか/揺らすか」を事前に決める

袖・腕まわり

注意ポイント
  • 極端に大きい袖・長すぎる袖、手を覆う袖
  • 袖口の装飾、腕輪・リボン・ベルト
  • 肘付近の複雑なデザイン
!起こりやすい問題
  • 手が袖に埋まる、手のトラッキングが見えづらい
  • 腕を曲げると肘が貫通する、服や装飾が伸びて見える
対策案
  • 手指を見せる運用なら、袖は長すぎない・開きすぎない形が安全
  • 長袖でも手首周辺の構造はシンプルにする
  • 肘の可動を邪魔しない装飾配置にする

スカート・腰まわり

注意ポイント
  • ロング/フレア/タイトスカート
  • 腰布・リボン・ベルト・チェーン
!起こりやすい問題
  • 足を動かすとスカートが脚にめり込む
  • 座り・しゃがみ時に貫通する
  • 腕がスカートに大きくめり込む
  • 腰装飾が身体や腕に干渉、貫通する
  • 物理演算が暴れる
対策案
  • 脚の動きを見せるなら丈・形状を調整する
  • ロングスカートは大きな動き、貫通に弱い前提で考える
  • 腰布・リボンは身体から少し離して設計すると扱いやすい

アクセサリー・小物

注意ポイント
  • 帽子・ヘッドホン・角・ケモミミ
  • 大きな羽・尻尾・大きなリボン
  • チェーン・紐付き鞄・ネックレス(輪っか形状のパーツがあるもの)
  • メガネ
  • 武器・杖・マスコット
!起こりやすい問題
  • 頭・髪・身体にめり込む
  • 揺れ物設定が増える(工数と処理負荷が増す)
  • 表情や顔の見え方を邪魔する
対策案
  • 常時装着する小物と演出用小物を分ける(別オブジェクトにする)
  • 頭部アクセは髪との干渉を意識する
  • メガネは表情・まばたき・目線と干渉しない形に(目に密着させ過ぎない)